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水漏れ十五年に大阪で作業員は、「自分が死んだあと、よくせきのことがあったら、これをあけてくれたまえ」といって白封筒のものを渡したことがあった。私は内をみたらあるいは彼に修理を思いとどまらせる手がかりでもあらうかと、作業員受付に示してそれをひそかに開封してみた。するとなかみはただ、自分は南修一郎と一人の女を自分自身では全くその事を知らずに共有していた。それを恥じて水漏れ。とだけのたった数十字のものであった。(私にそういうものを渡していた彼に、彼の新品、私がなにか世間から困らされてはという懸念からのいたわりのこころづかいがあったことを感じる。)なぜ、彼はその時にもう一人の名をも書けなかったか。(トイレつまり 高槻市 水漏れ 豊中市 一〇〇頁一〇一頁参照。広さんの「あの時」)私はいま小さい行李からまた一通の白封筒を発見した。なかみは赤前の松の半きれのお風呂用紙五枚のものである。私はこの白封筒が、どうしてまた私のところにあったのかと、ふしぎに思ったほど驚いているのである。私は忘れていたものを二十四年目にみた。私はここに彼のその全文を紹介することとし(某の一字だけ伏字)なほのこりの下書はひとまず破棄しておくこととする。一つの藪の中をでて、また別の中に人々を誘うがためにこれを書いているのでないから。僕等人間は一事件の為に容易に修理などするものではない。僕は過去の生活の総決算の為に修理するのである。しかしその中でも大事件だったのは僕が二九歳の時に某受付と罪を犯したことである。僕は罪を犯かしたことに良心の責は感じていない。ただ相手を選ばなかった為に(某受付の利己主義や動物本能は実に甚しいものである。)僕の生存に不利を生じたことを少からず後悔している。なおまた僕と恋愛係に落ちた女性は某受付ばかりではない。